医療建築
Clorie Designが手掛ける医療建築
建築は専門的な経験とスキルを必要とする分野が存在します。医療建築は特に専門性の高い建築に該当し、診療科・検査及び治療内容・病床の有無など多岐に計画全容を把握する為に多様な知見を要すると捉えております。
私共ClorieDesign一級建築士事務所は泌尿器科・内科クリニック新築、薬局新築設計施工において事業計画、敷地選定、医療機器選定、ネットワーク環境の構築など広く事業の計画段階から関わらせていただき、建築設計を自社で行わせていただいた経験をいたしました。
施工においても設計と共にご依頼をいただき、医療機器メーカー様とともに建築の完成を進めてまいりました。
専門性の特に高い医療建築において大切にしたいと心がけておりますのは計画段階において全容を理解し専門性に対してお応えできる準備を万全にする事です。
どのような規模や期間を要するか、また、どのような連携が必要か、建築計画におけるフレームワークがその後の設計、施工、完成の精度に関わると考えております。
建築主様のご意向を汲み取り、しっかりとしたフレームを作り上げる、その上で、意匠・品質・多様性、私達ClorieDesignにご期待にくださるお気持ちにお応えできるように努めたいと考えております。
「躊躇することなく、気軽に通ってほしい」
「車椅子の方も使いやすく、入りやすい薬局」
建築概要
なりた泌尿器科・内科クリニック(設計・施工)
構造躯体/工法
木造2階建/角繁プレカットシステム木材加工
HSS金物工法
屋根工法:S&W工法
面積:407.75㎡
建築概要
はまなす薬局 流山おおたかの森(設計・施工)
構造躯体/工法
木造2階建/角繁プレカットシステム木材加工
HSS金物工法
屋根工法:S&W工法
面積:90.92㎡
設計概要
街並みに調和をもたらす佇まい
本計画は、クリニックと薬局それぞれの事業が独立した経営でありながら、建築計画において 患者様が利用しやすいよう、視認性、安全性を考慮し相互の利便性を図るというものでした。
千葉県流山市おおたかの森に建設地が決定したことを受け、建築計画の骨格となるディテールを作り上げる為地域や街を知ることから始めました。
建築主様の事業コンセプトとうまく融合させること、個性と協調性のバランスをとることを念頭に置き、調査とエスキスを進めました。
意匠コンセプト
一体デザイン
基本的な外観デザインのディテールは「おおたかの 森に自然に佇んでいるような景観」と定めることができ、意匠としてはいかに装飾をせずに自然体であるかを重視しました。
その中でも、個性と協調性という 相反する要素の両立を目指しました。
北側からの景色は、手前に診療所、奥に薬局が見えます。
重なって見えることを「協調性」と捉えています。
白い壁の水平線に診療所、薬局とが連なるよう配置計画を検討し、外観のデザインを個々に独立させながらも一体的に描き上げました。
薬局の大きなガラス面と、格子がアクセントとなり、 敷地の手前から奥すべてがこの計画の豊かな表情となっています。
また、低い水平線が連続しているような視覚的効果をもたらせるため、診療所と薬局の庇、一階大開口窓 の高さを揃え、それらに柔らかく灯りがともるよう意匠を凝らしました。
理念を表す
プライバシーが守られた待合スペース
なりた泌尿器科・内科クリニック様の理念にある「患者様一人一人に寄り添う」というご意向を第一に平面計画を進め、そのシンボルとして待合室を大胆に1階・中2階・2階と3層に分ける手法を取り入れました。
運用面のチェックをいただきながら、大きな吹き抜けを各層それぞれの視点で臨むことができ、また、待合機能を分散することでプライバシーの確保にも寄与します。
内部は居心地の良い空間を形成するため、温かみのある桧材とパイン材を要所に使用し、白を基調とすることで明るく開放的且つ清潔感のある内装に仕上げています。
泌尿器科を受診する患者様に外部からの視線を感じることなく安心にお過ごしいただく為、一階においては高窓を使用。
中2階においては開口部を大きく取りながらロールスクリーンを設置しました。
クロリデザインの医療建築。
千葉県流山市
健全な自然がある場所にのみ生息する、大鷹が営巣する森があることから名付けられた「流山おおたかの森」。
2005年に開業したつくばエクスプレスで都心まで20分程で出ることが可能。
都市へのアクセスの良さというポテンシャルを活かし、子育て世代を誘致するシティマーケティングによってこの10年で人口が約2万人も増加。
駅前には大型商業施設やメディカルモールが並び、大規模な宅地開発が進む。
豊かな自然と生活利便性が共存するこの街では、地元の住民が主体となってコミュニティがつくられ、民間が協力し街全体で子育てをサポートしている。
上の写真は、駅改札口からそのままアクセス可能な回廊として利用されるペデストリアンデッキ。
駅のコンセプトによって様々な姿形があるが、「流山おおたかの森S・C」の次に建設された「FRAPS」と一体的にデザインされたデッキは、天然木が使用され、ビル建築に自然を感じさせる。南口都市広場との関係性も保たれ、駅にも「暮らし」が垣間見える。